農場の風

イチゴだより -第89便- 2015年6月26日

写真1. 子苗発生の様子


写真2. 太郎苗を芽かきしたランナー


図-T1


図-T2


図-T3


図-T4


写真-T5



いちごステーション

【栽培ノート:2015年5月8日~2015年6月8日】
<親株定植:‘とちおとめ’2015年4月2日>
[生育状況(2015年6月8日現在)]
‘とちおとめ’子苗(太郎、次郎)発生中
[定期的な作業]
葉かき、腋芽取り、太郎苗の芽かき(早期に発生したランナーは次郎苗から固定する予定)
[防除]
5月12日 うどんこ病、アブラムシ対策薬剤散布
5月29日 うどんこ病、ハダニ対策薬剤散布
6月4日 うどんこ病、ハダニ対策薬剤散布

誠和のバラへの取り組み

農場の風85便において、誠和でバラに取り組んでいる目的、栽培ハウス概要、栽培方法及び耕種概要を紹介させて頂きました。そこで今回は、具体的に得られた知見や数値などを紹介していきたいと思います。
 平成25年2月5日に定植し、平成27年1月末日までの2年間調査しました。調査内容は採花枝の長さで40cm以上のものを、10cm刻みで採花本数と重量を測定しました。全てのデータを載せることは困難なので、採花本数に絞らせて頂きます。1年目を平成25年2月から平成26年1月末日まで、2年目を平成26年2月から平成27年1月末日として、m2当たりの総採花本数をまとめると図-T1のようになります。切り上げで仕立てることでアーチングに比べ、アヴァランチェ+では1年目、2年目共に約1.6倍、サムライ08では約2.2倍の採花本数となり、特にアバランチェ+では2年目に約300本/㎡の採花本数を得ることができました。アバランチェ+の2年目について、もう少し細かく見てみましょう。月毎、採花枝の長さ毎の本数(40cm以上60cm未満の短い採花枝と60cm以上の長い採花枝)を見やすいようにグラフにしたものが図-T2です。細かい数字の羅列になりますので、詳細な数値はここでは割愛させて頂きます。60cm未満の短い採花枝の本数が切り上げで多いことが目立ちますが、60cm以上の長い採花枝でも切り上げの方が確実に増加し、長い採花枝だけで比較しても、増加割合は約1.4倍になっています。
 このような結果が得られた理由としては、①切り上げにより採花母枝が多く確保されたこと、②冬の定植により充実したべーサルシュートを作ることができたこと、③切り上げにより常に何本かの採花枝が立っていることで、Next80を使った統合環境制御と相まって、株自体の光合成量が増加したこと、があげられると思います。①べーサルシュートは日本語で不定芽と呼びます。文字通り、芽が数的にも時期的にも安定して発生するものではありません。このようなべーサルシュートを採花し続けるアーチングではフラッシュを繰り返し、なかなか採花本数が増えていきません。一方切り上げでは、採花後確実に残した葉腋から次の芽が動き出し、時にはその下の葉腋からも芽を吹き、一本のべーサルシュートから二本、三本と採花母枝を徐々に増やしながらダラダラと連続して採花枝をあげ続けます。この差は芽ぶきの悪い品種ほど顕著で、そのためサムライ08の方がアヴァランチェ+よりも切り上げによる増加割合が高くなったと考えられます。②冬に定植することによって、べーサルシュートの発生・伸長時期に理想的な環境を作りやすくなります。その結果べーサルシュートが充実し、その後の芽数の増加や採花し続けることにつながったと考えられます。③光合成は立っているシュートの葉、つまり採花枝の葉で多く行われており、折り曲げ枝の葉はそれほど多くの光合成はしていないと言われています(もちろん0ではないのでしょうが)。そう考えると、アーチングで採花枝が立っていない時には、一体どれだけの光合成ができているのでしょうか。一方で切り上げでは、大抵の場合一株から数本の採花枝が立っていて、常にどこかでしっかりした光合成が行われていることになります。その結果株自体の光合成量が増加すると考えられます。同時にNext80を使い統合環境制御を行ったことも、採花本数の増加・採花枝の充実には貢献したと考えられます。採花枝が増えれば、増えた分だけ光合成ができなければ採花枝が充実せず、最悪の場合ブラインドになってしまいます。参考までに冬のある晴れた日のNext80のメイン画面を載せておきます(図-T3、図-
T4)。さすがに今の時期はベストな環境を作ることはできませんが、制御できる時期にはご覧のような内容に注意しながら制御していました。
 以上簡単ではありますが、誠和のバラへの取り組みで得られた情報のいくつかをを紹介させて頂きました。もっともっと多くのことを紹介したいですし、議論をしたいと考えております。もしご興味のある方は、ぜひ弊社まで見学にいらっしゃってください。アーチングは栽培終了してしまいましたが、新しい品種を加え、今回紹介したアヴァランチェ+、サムライ08は3年目の栽培に突入しております。今の所2年目以上の成果を上げられそうです。お待ちしております(写真-T5)。

 

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