農場の風

トマトパークだより-第17便-2017年12月28日

写真1 大玉トマト圃場様子


写真2 大玉トマトの成長点付近の様子


写真3 ミニトマト圃場様子


写真4 ミニトマトの成長点付近の様子


図-T1 トマトパークの環境設定


図-T2 日の出に向かっての温度上昇


図-T3 CO2施用状況



大玉トマト -栽培室①-

【栽培ノート:2017年11月16日~2017年12月15日】

 品種:りんか409(株式会社 サカタのタネ)〈定植:8月17日〉

[生育状況(2017年12月15日現在)] (写真1,2)

 草丈:267.8 cm、葉数:10枚

 開花花房段数:9段目、収穫花房段数:5段目

[作業]

 誘引、わき芽取り、摘花、花房直上葉・下葉を摘葉、果梗取り

 吊り降ろし、収穫

[病害虫防除]

 コナジラミ防除、うどんこ病防除、オオタバコガ防除

ミニトマト -栽培室③-

【栽培ノート:2017年11月16日~2017年12月15日】

 品種:CF千果(タキイ種苗 株式会社)〈定植:8月17日〉

[生育状況(2017年11月15日現在)] (写真3,4)

 草丈:489.2 cm、葉数:19枚
 開花花房段数:16段目、収穫花房段数:9段目

[作業]
 誘引、わき芽取り、摘花、果梗取り、花房直上葉・下葉取り、吊り降ろし、収穫

[病害虫防除]
 コナジラミ防除、うどんこ病防除

『冬場の温度管理とCO2管理について』

  2017年も残すところわずかとなりました。今年は、例年になく日本各地で台風の直撃の影響を受けた事と思います。その為、地域によっては曇天や雨天に悩まされる日も多くあり、人間も作物も大きな影響を受けたのではないでしょうか。11月以降は昨年に比べると晴天の日が多く、回復の兆しとなりましたが、12月に入り一年の中で一番日射量の少ない時期を迎えております。

  トマトに限らず、作物の成長には光が必要になります。この光は、補光という考えを除けば、人の手で増やす事のできない自然エネルギーとなります。トマトパークでは、この光を最大限に活用するためのハウス構造でトマトの栽培実証を行なっています。ただ光を多く取り入れればよいという事ではなく、作物の光合成を最大限に行なわせ、しっかりと転流させる事が重要です。その為、日射量に合わせた温度管理、CO2の施肥を行なう必要があります。今回はその環境管理の一例や注意点をお伝えしたいと思います(図-T1)。

  まず、温度管理についてです。日中は、晴天日であれば日射によってハウス内が暖められるので、換気窓の開閉でハウス内温度のコントロールができます。しかし、冬期は日中でも外気温が10℃以下の場合があります。温度を下げたいからといって夏期のように換気窓を全開にしてしまうと、冷たい外気が作物にそよぎ、成長点にダメージを与えてしまいかねませんので注意が必要です。もし外気が低温の場合には、最大換気開度に制限をつけ換気量の制限をする事が有効です。また、夜間の温度については、最低でも12~14℃は欲しい所です。特に、養液栽培では培地や栽培ベッドが地上に隔離されており、夜間の培地温度の維持のためにも必要な温度です。培地温度を維持させる理由の一つとしては、日の出後の萎れ防止です。朝、植物に光が当たると蒸散が活発になり、蒸散を行なう事で根から養水分が吸収されます。もし蒸散が開始されるときに養水分の吸収を行なう根の温度が低いと、蒸散量に対して養水分の吸収が追い付かずに萎れてしまいます。萎れてしまうと気孔が閉じ、蒸散も止まってしまいます。また、気温は夜中から徐々に上げていき、気温と果実や植物体の温度差を小さくします。日の出後すぐには植物の温度は上がってきませんので、植物体温が低いまま日の出を迎えてしまうと、ハウス内温度と差が生まれ萎れや結露の原因になります。ハウス内温度の目安としては、日の出前に17~18℃に上げて下さい(図-T2)。

  次にCO2の施用についてです。冒頭でお話をした『光合成を最大限に行なわせる』為には、CO2施用は必要不可欠です。特に、施設で栽培をすると外気よりもCO2の濃度が下がってしまいます。ハウス内のCO2の濃度が250ppmまで下がると植物の成長量は19%も減少し、逆にハウス内を450ppmに高めると成長量は12%も増加するという研究データがあります。つまり、CO2施用をすることは、植物体の成長に大きく関わり、この成長量の増加は収量の増加に繋がります。特に冬期は、夏期ほど換気窓が開く事が少なくなりますので、外気からの供給も少なくなります。CO2は換気窓が少しでも開いてしまうと高い濃度を維持しようとしてもハウス外に逃げていくCO2の方が多くなり、無駄に燃料を消費してしまいます。その為、日中は外気よりも低くならないように施用する事が望ましいです。トマトパークでは、日中、換気窓が開いている時でも最低400ppm以下にならないようにし、日射量に比例させて濃度制御を行なっています(図T-3)。

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