農場の風

リサーチパーク鶴だより-第1便-

グラフ1 CO2施用してない日(3月20日)


グラフ2 光合成と光強度、CO2濃度との関係


図1 真呼吸概略図


写真1 設置状況 (左)燃焼機 (右)ラジエータ


写真2 子ダクト設置状況





リサーチパーク鶴だより始めました

 2019年も早半年が過ぎ、誠和の本社を構える栃木県でも梅雨入りを迎える季節となりました。

 昨年末に、誠和の研究開発の拠点となる「リサーチパーク鶴」が竣工したことをご案内致しました。現在このリサーチパーク鶴では、トマトの他、パプリカやキュウリ、イチゴ、アスパラガスの栽培試験を行っています。それぞれの作物で高収量栽培技術はもちろんのこと、ハウス内環境を整える栽培装置の開発やプロファインダークラウドの新コンテンツの開発など、ハードウエア、ソフトウエア両面の研究・開発の場として活用しています。

(詳しくは、2018年12月19日の「リサーチパーク鶴 始動」のお知らせをご覧ください。)

 このリサーチパーク鶴だよりでは、リサーチパーク鶴での栽培状況や栽培を通して得た技術や情報、また環境制御装置の制御技術などの情報を発信していきます。

 今夏、誠和と株式会社ノーリツとで共同開発した、低温CO₂局所施用システム「真呼吸」の販売を開始します。今回は「真呼吸」の特長などについてお伝えしたいと思います。

「真呼吸」の特長!

 2月以降は日射量も増加し、3月に入ると日中の外気温も15度を越える日も増えます。このような環境下では、換気窓が開き、換気窓から逃げていくCO2も多くなり、冬のようにCO2を高濃度に維持することが難しくなります。そのため、換気窓が開く頃には、CO2施用を止めてしまう方も多いと思います。換気窓が開いていても外からのCO2流入量は少なく、ハウス内、特に群落内のCO2の濃度は外気よりも低くなり、CO2濃度の低下は、光合成能力の低下を生み、収量の減少に繋がってしまいます(グラフ1)(グラフ2)。

 これからご紹介する低温CO₂局所施用システム「真呼吸」は、過剰な熱を入れずに、群落内に効率よく、ハウス全体にムラ無くCO2を施用できる特長を持ったシステムです。

 「真呼吸」は燃焼機とラジエータ、送風機、CO2操作盤、CO警報器、そして親ダクトと局所施用子ダクトを組み合わせたシステムです(図1、写真1)。「真呼吸」の特長の一つとして灯油燃焼時の熱の除去があります。CO2は灯油を燃焼させて発生させます。燃焼時に発生する熱でお湯を作ることによって、水に熱エネルギーを移動させて、外部に設置されたラジエータを循環させることでお湯の熱エネルギーを大気中に排熱します。排熱されて温度が下がった水は本体に戻り、給排水無しで再び熱交換に使われます。このように熱交換が行われることで、燃焼時に発生する熱の約80%を除去することができます。そして発生したCO₂は送風機を使ってハウス内に送り込まれます。その際に周辺空気との混合が行われ、吸気口から発生するCO₂の10倍もの周囲の空気を同時に吸い込むことにより、さらに低温にした状態でCO2をハウス内へ施用することができます。そして、ハウス内に送り込んだCO2は、親ダクト、局所施用子ダクトを通り施用されます。この局所施用子ダクトは、「真呼吸」のために設計されており、直径が41mmと小さく、群落内に設置することが可能です。より植物に近い所に設置することで、換気窓が開く時期でもより無駄なく、効率よく植物に施用することができます。また、CO2発生機側だけ高濃度になり、遠い所が低濃度になるという濃度のムラを無くします。制御は、6種の時間帯別にCO₂濃度の設定ができ、プロファインダーの測定値を基にした制御が可能です。また、外部信号を受けてのON・OFF制御も可能ですので「プロファインダーNext80」などの環境制御装置を使った複合的な制御も可能です。

 過剰な熱が取り除けるということは環境制御を行う上で有利に働きます。CO2施用時のハウス内温度の上昇を無くすことで、無駄に換気窓を開けることも無く、よりCO2を溜め込めやすい状況を作ることができます。

 この「真呼吸」は、リサーチパーク鶴のトマトの区画に設置されております。2019年8月からの作では、パプリカ、キュウリ、イチゴの区画でも使用する予定です。次回のリサーチパーク鶴だよりでは、「真呼吸」を絡めたCO2施用の制御についてお伝えしていきたいと思います。

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