農場の風

樽トマトだより -第26便- 2010年3月30日

写真1.樽トマトの様子(3月24日撮影)









栽培ノート : 2010年3月

 <栽培播種日:2009年12月4日、定植日:2010年1月15日>
 [生育状況2010年3月18日現在]
  桃太郎サニー:第5花房開花
  桃太郎ギフト:第5花房開花
  サンチェリーピュア:第7花房開花
 [定期的な作業]
  ホルモン処理(適宜)
 [防除]
  3月19日:コナジラミ類、灰色かび病予防

おいしいトマトとは

 唐突ですが、おいしいトマトとはどんな味のトマトを思い浮かべますか?近年、高糖度トマトやフルーツトマトなど糖度が高いことを宣伝、販売しているトマトが多く見られます。おいしさの基準のひとつに糖度があると思います。また、ご年配の方は昔のトマトの青臭くて酸っぱい味が懐かしいと言われることがあります。それ以外にも、うまみ(アミノ酸など)が感じられる、まん丸くて、真っ赤でおいしそう、適度に歯ごたえがあって食感が良い、このようにおいしさの基準は五感や記憶(思い出)にも依存し、個人差が大きいものです。また調理方法によっても変わってくると思います。おいしいトマトとは?数字で表すのが非常に難しいといえます。そんな中でもトマトのおいしさの指標として用いられているのが糖度や糖酸比です。今回は糖度と糖酸比の話をしたいと思います。
・  糖度
  糖度の測定には糖度計を用いることが多いです。糖度計の多くは光の屈折を利用し、液体の濃度(可溶性固形分)を測定する方法で、その値はショ糖(砂糖)を水に溶解したときの重量%を基準としておりBrix(%)(ブリックス(パーセント))と呼びます。例えば水100gの中に10gのショ糖が溶けている溶液はBrix10%となります。果物の果汁の可溶性固形分は糖が主体のためおおむねBrix(%)=糖度といえます。しかし、トマトなどの野菜の可溶性固形分には糖以外の成分を含むため必ずしもBrix(%)=糖度とはいえません。この場合Brix(%)=濃度となります。樽トマトの第22便の表1において、トマト果実100g中に含まれる炭水化物量は食物繊維を除いて3.7gとなっており、糖分の量は3.7gと考えられます。日本国内で流通しているトマトの糖度は一般的に5度を下まわらない程度と思われることからもBrix(%)=糖度というのは成り立たないようです。また、品種や栽培時期などによりトマトの成分は変化するので、トマトの糖度は単純に甘いというよりは同じ品種、栽培時期において味が濃い、うまみが強いというのが正しいかと思われます。しかし、現状では便宜的にBrix(%)は糖度○度とされています。
 一般的に高糖度トマト、フルーツトマトと呼ばれるものは7~8度以上を基準としています。高糖度トマトはトマトの品種をさす言葉ではなく、果実が高糖度になるような栽培をしたトマトをさします。高糖度トマトの栽培方法の多くは、トマトに対して給水を制限することや塩分の高い水を与えることにより、トマトにストレスを与え果実の糖度を向上させます。高糖度トマト栽培についてはまた機会がありましたらご報告したいと思います。
・  糖酸比
 糖酸比の説明をする前にトマトの酸味(酸度)について説明いたします。トマトの酸味の主成分はクエン酸とリンゴ酸です。酸度は中和滴定法によりクエン酸の量が求められている場合が多いようです。それ以外にも酸度測定器などで測定する場合もあるようです。トマト果実に含まれるクエン酸の量は0.5~0.6%程度との報告があります。
 糖酸比とはトマト果実に含まれる糖度を酸度で割ったものをさします。糖酸比を報告している事例の多くは糖度計と中和滴定法から得られた糖度と酸度の値を使用しています。実際の糖、酸の成分量の比ではなく、簡易的な測定方法ですが比較する上では事例も多く分かりやすいと考えられます。糖酸比は値が高いほど甘味を強く感じます。しかし、糖酸比の求め方からも分かるように糖度が低くても酸度も低ければ糖酸比は高くなります。糖酸比が高ければ甘い、おいしいとは限りません。おいしいトマトの目安は糖度、酸度が高く、適度な糖酸比であることと考えられます。その例として、糖度5%以上、糖酸比12以上という報告がありました。

 トマトのおいしさは糖度、糖酸比が目安のひとつとなりますが、それ以外にもさまざまな要素で成り立っています。また、日本ではサラダなどの生食が主な食べ方ですので、トマトは生食向きに育種されています。海外ではトマトを加熱調理することが多く、加熱調理に向いた品種もあります。例えば、加熱調理に向いた品種は糖度、糖酸比が高い場合がありますが、生食では食感が悪いことがあり、そのトマトはおいしいと感じられない場合があります。おいしいトマトとは何ですか?と尋ねられても単純に糖度や糖酸比だけでは比べられないため、解答に困ってしまいます。食べ比べをして好みにあったトマトがおいしいと言うのが無難な回答でしょうか?そのおいしいかったトマトがいつの時期で、どの産地の生産者であるか覚えておくと良いかと思います。野菜の品質の研究もされていますので、いつか多くの人が認めるおいしいトマトの品質が数値化される日が来ると思います。

 [参考文献]
 株式会社アタゴ デジタル糖度計(濃度計)パレットシリーズ 取扱説明書
 野菜のページへようこそ ホームページ
 アメーラトマト ホームページ
 トマト果実の有機酸組成とその品種間差位 野菜・茶業試験場盛岡支場
 消費者ニーズを考慮したほうれんそうおよびトマトの内部品質指標 道南 農業試験場 土壌肥料科

 

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