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「キュウリ栽培セミナー」へのご参加 誠にありがとうございました

2017年09月29日

はじめに

高知営業所の松下です。9月19日から9月21日にかけ、オランダのデルフィーの栽培コンサルタントであるヤン・ブゥールスマ氏を講師に招いて、キュウリ栽培セミナーを開催いたしました。栃木、高知、宮崎の3会場で合計78名の方にご参加いただき、大好評のうちに終了しました。以下に、セミナーの講義内容の一部を簡単にご紹介いたします。

 

~キュウリ栽培における地上部環境~

■光について

・苗時期(トマト)には150~400J/cm2/日、収穫期の成木では1000~2500J/cm2/日の光が必要とされている。より多くの光はより多くの成長となる。季節ごとの光環境に合わせて、その他の要因も制御する必要がある。例えば低日射時には気温を下げる、かん水量を減らす。よって環境や植物に合わせた栽培計画の組み立てが大切。

・オランダではキュウリ果実の乾物率を3%としたとき3000~3500Jで果実を1kg/m2生産すると試算している。具体的には、日本のキュウリの乾物率は4.5%なので5000Jで1kg/m2生産できると仮定する。10月の平均日射量は1000J/日なので、1週間で1.4kg/m2の生産ができる計算となる。

・近年オランダでは、光透過率と散乱光利用の観点から光反射防止処理がされた散乱光ガラスの導入が進んでいる。

・葉面積指数(LAI)は栽培における受光量の指標で、LAIが低い方が品質は一時的に向上するがその後に問題が起こる。LAIは大事だがより大切なことは花や幼果へ光を当てることである。例えば、新葉は週6~7枚ほど発生するが、ハイワイヤー(つる下ろし栽培)ではそのうち1枚を摘葉して光環境を改善する。果実はおおよそ5節目で開花し、16節目で収穫するのがバランスのとれた栽培方法である。

・日射が強い日は、夕方にカーテンを閉めて天空放射を防ぐ。これは温度低下を避けるため。

・雨天の翌日は日射が450W/m2を超えるタイミングで遮光し、日焼け果を防止する。

 

■CO2について

・CO2は濃度管理をしていても施用量の把握が重要。3~6kg/10a/時間を勧めているが、10kg /10a/時間施用できれば理想的。

・光環境とCO2吸収は非常に密接な関係にある。光の増減に合わせたCO2施用が必要。

・キュウリでは乾物率4.5%の場合、1kgあたりのCO2吸収で7kgの収量が見込める。

・生ガスを使っている場合、効果の過小評価が起きている可能性がある。夏季には1000kg/10a/週の施用が必要とも言われている。適切な収量を目指すには年間で20t~25t/10aの施用が適当。

 

■温度について

・目標日平均気温は日射量に対して決める。一般論としてトマトよりも+2℃程度となる。具体的には1000Jでは19~21℃、1500J以上なら22~22.5℃程度。

・キュウリでは日の出付近の気温が高すぎてしまうと細長い果実になりやすいので、19~20℃程度にすると良い。

・昼夜温較差(DIF)は3~3.5℃が適当とされている。

・植物体のステージに合わせた管理が大切。例えば、収穫開始までは温度を上げて生育スピードを速め、収穫開始後は温度を下げる。

・温度が高すぎると葉が小さくなったり流れ果の発生原因となったりする。低すぎると果実が外れなかったり植物の下部にも着果してしまったりする。

・急激な温度上昇は果実に結露が生じ、日焼け果発生の要因となる。1時間当たり2℃程度の変化が理想。

・日の入り前後での温度低下は、暖房機と換気の低下開始時間に差をつける(暖房機が先)。換気開始時刻が早いと湿度低下が急速になってしまう。

 

■湿度

・飽差は3~7g/m3が最適とされ、大きすぎる飽差(10g/m3以上)は流れ果につながる。また大きな湿度変化も蒸散抑制、水ストレスに影響するため要注意。

・キュウリでの設定例として以下の数値をすすめている。オランダでも多くの生産者が飽差を湿度の指標としている。前夜半:2、後夜半:2.5、日の出付近:3、日中:5

・まずは目標設定を行い、換気による湿度制御により実際の環境を確認する。光が減少した際には風上側の天窓を閉め気味にすることで湿度を維持する。

・加湿および冷却のためにはミストが効果的であるが、粒径5ミクロン程度のもの(葉が濡れないことが大事)が適している。

~キュウリ栽培における地下部環境~

■水

・生育ステージに合わせたかん水管理を行う。定植直後はかん水量を抑え発根促進。徐々にかん水を増やしていく。収穫が始まったら十分なかん水を行う。

・日中のかん水は日射量に合わせて変化させる。曇天日のタイマーかん水を基準に積算日射で増加させる。

・暖房システムの違いはかん水にも影響する。温湯はムラが少ない。温風ではムラがあり、水要求量がバラつく(蒸散による影響)。

・土耕キュウリ栽培のかん水量は光1Jあたり0.5~2ml/m2が必要(幼木で0.5ml、成木で2ml)

・かん水を早く始めすぎない、遅くまで延ばさないことが大切。(1000J/日の時は600Jとなる時点で終了する)

・キュウリでは茎長が10mを超えると生育が低下する。理由は導管での水輸送の関係で10mを超えると成長点付近への水供給が不足するため。

 

■肥料

・元肥には有機肥料、無機肥料共に重要(土壌構造に影響するため有機肥料必要)。

・肥料組成は植物種により異なり、生育ステージによっても変化させる必要がある。

・オランダでは目標収量に対して施肥量を決定する。例えばキュウリ収量 50t/10aに対して、N:830kg/ha、P:125~150kg/ha、K:1150kg/haが必要。

おわりに

今回はオランダのデルフィー本社より講師を招き、キュウリ栽培におけるオランダの技術を講演させていただきました。これまでも誠和が開催してまいりました様々なセミナーにより、オランダと日本の栽培技術や考え方の違いを実感していただいてまいりました。今回の講演でも参加された皆様が新たな課題を見つけ、改善・調整をするきかっけとなることで今後のキュウリ生産に役立てていただければ幸いです。

誠和では、今回の「キュウリ」をはじめ「トマト」「バラ」の作物別、また季節別の環境管理セミナーを今後も企画してまいります。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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