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「実践的な冬に向けての環境管理セミナー」へのご参加 誠にありがとうございました

2018年11月16日

仙台営業所の原田です。10月22日から11月16日にかけて全10会場において、株式会社デルフィージャパンの斉藤章氏を講師に「実践的な冬に向けての環境管理セミナー」を開催しました。合計510名の方にご参加頂き、大好評のうちに終了致しました。多くの方のご参加誠にありがとうございました。以下にセミナーの講義内容の一部を簡単にご紹介させていただきます。

 

湿度管理について

■湿度の影響

・高い湿度:蒸散の減少に伴い養水分吸収の低下。菌類による病気の危険性が高まる
・低い湿度:植物にとって乾燥ストレス。過度な蒸散は成長には結びつかない

 

■湿度の単位

・絶対湿度(g/m3):空気中にどれだけ水蒸気が含まれているか示す
・飽和水蒸気量(g/m3):空気が含むことができる最大の水蒸気量を示す
・相対湿度(%):飽和水蒸気量に対してどのくらいの水蒸気が含まれているかを示す
・飽差(g/m3):飽和水蒸気量と絶対湿度の差
・露点(℃):過剰な水蒸気が凝結(結露)し始める温度

 

■冬のハウス内の湿度が高くなる理由

・外気温が低く換気窓が閉まる時間が長くなるため
・省エネのための保温性や密閉性の向上によるもの
・ハウス内への湿度の供給源は、①植物からの蒸散、②土壌からの蒸発、③かん水の余剰水からの蒸発

 

■植物からの蒸散

・ハウス内湿度が高まる最大の要因
・葉面積指数(LAI)が高過ぎると湿度が高まり病気の発生が高まる
・植物に循環扇や温風ダクトの強い風をあてない
・トマトの一晩の蒸散量は約100~200リットル/10a。植物の蒸散量に対してハウス内の飽和水蒸気量は少ない(約50~70リットル/10a)
・積極的な除湿が必要。高湿度条件により植物の蒸散が低下→養水分の吸収が低下→葉の軟弱→病気が繰り返される

 

■土壌からの蒸発

・養液栽培:クロスシート(防草シート)だけでは不十分。その下に必ずポリマルチを敷く
・土耕栽培:全面マルチを敷き、株元もしっかりホチキス等でふさぐ

 

■かん水の余剰水(排液)からの蒸発

・養液栽培:排液はすべて集めてハウス外に排出する。ハウス内には垂れ流さない
・土耕栽培:かん水チューブが破損していないか確認する

 

■ハウス内の除湿方法

①換気窓、カーテンを開ける
・利点:簡単
・欠点:多くのエネルギーを必要とする。急激な温度変化が起きる
②ヒートポンプや除湿機の利用
・利点:様々な制御が可能
・欠点:多くのエネルギー(電気)を必要とする。多くの場合、除湿能力が限定的
③透湿性カーテンを用いた外被材への結露
・利点:より少ないエネルギーで実施可能
・欠点:除湿の理論を理解する必要がある

 

■LSスクリーンの透湿性

・透湿性カーテン(LSスクリーン)を用いることでカーテンを閉めたまま効率的に外被材に結露させ除湿することができる。エネルギー損失を最小限に除湿が可能である
・LSスクリーンは帯状のフィルム(ストリップ)を編みこんでいる特殊な糸が作物側の水分を吸収してスクリーン上部に排出する仕組みを持つ。フィルムが水分を吸収しているのではない

 

■LSスクリーンのラクソス(透明タイプ)の透湿量

・ラクソス1層:36.5リットル/10a/時
・ラクソス2層:22.7リットル/10a/時

 

■透湿性カーテンを用いた外被材への結露

・外被材への結露はハウス内外温度差が必要
・外被材への結露はカーテン上の温度、外被材の温度、露点温度、外気温を確認することが必要
・外被材内面への結露には5℃以上のハウス内外温度差が必要。結露させなければ除湿できない
・外被材が複層の場合は天窓を開けるしかなくエネルギー損出が大きくなる
・ハウス内外温度差が5℃未満のときは透湿性カーテンを閉めて天窓を数%開ける。場合によってはカーテンを数%開ける
・コンピューター制御があれば容易に管理できる

 

■湿度と菌類による病気の発生

・高湿度は病気の発生原因となる→植物体が濡れること(結露)が病気の直接的原因。相対湿度が95%でも植物体が濡れなければ良い
・病気の‘対策’は高湿度にしないこと→農薬は病気が発生したときの’対処‘である
・植物体上で濡れが発生する要因は次の3つ

 
■①ハウス内の場所による温度ムラ

・暖かい空気は上に移動する
・熱は壁面から逃げる
・蒸散・蒸発は気温を低下させる
・対策:場所による温度ムラを測定し、温度差を3℃以内にする。循環扇を活用する

 
■②気温と植物体との温度差

・水と空気は比熱が異なり、植物体(水)は空気よりも約4倍温まりにくく、冷えにくい
・質量によっても変わり、大きな果実ほど温まりにくく、冷めにくい
・日の出後のハウス内気温は一気に上昇するが植物体は冷たいままになり、植物体に結露が発生する
・もっとも温度差が発生しやすいのは日の出2、3時間後
・対策:気温は2℃/時間以上上げない

 
■③溢液(葉水)

・根圧が高い
・夜間から日の出にかけて湿度が高い
・摘葉の切り口等から溢液が発生している可能性があり、茎ボトの原因になる
・対策:根圧を下げる。発生した場合は葉を早く乾かす

 
■カーテンと天窓の開閉について

・秋ごろの外気温が高い時期、タイマーで日の入時にカーテンを閉めてしまうとハウス内温度が高くなってしまう恐れがある、カーテンは外気温を考慮して閉める
・ラクソスおよびハーモニー:外気温がハウス内目標温度より1~2℃下がったら閉める
・テンパ:外気温がハウス内目標温度より5~10℃下がったら閉める

 
■雨天時の日中の除湿方法

・水蒸気の移動は相対湿度ではなく、絶対湿度の差でおきる
・ハウス内気温>外気温であれば多くの場合、雨天でも天窓を開ければ除湿できる

 

温度管理について

■エネルギー効率を考える

・石油は費用対効果が高いエネルギー
・ハウスの軒が高くなると暖房代は増える、しかし微々たるもの。むしろ体積が増える分各種環境(湿度、温度)が安定しやすくなる等の利点が大きい

 

■日の出に光合成適温を確保

・冬至の日長はたった9時間40分と短い、日の出時から光合成を最大化させることが大切
・日の出時に光合成の適温にする(例えばトマトは17℃以上)
・日の出後の気温上昇時間が最も結露の危険性が高い。日の出3~4時間前から暖房してハウス内温度を徐々に高めて温度上昇を緩やかにする
・日の出後のカーテンはなるべく早く開ける。ラクソスであれば日射が100~150Wになった際に開ける
・冬期の日の出30分後が暖房エネルギーを最も多く必要とする。理由は①外気温が最も低下する②カーテンが開く③植物の蒸散が始まる
・2層カーテンの場合、暖房能力は1層開けたら約1.5倍、2層開けたら2倍必要とされるため、今までの暖房機では能力不足になる。光合成適温確保のためには今までの能力の2倍の暖房機を選定する
・カーテンは日の出後もなるべく長く閉めておけるように汚れにくく光透過性の高いカーテン(ラクソス)を選択する

 

■曇雨天日の日中の気温確保

・低温期に曇雨天日が続くと光が少ない上に日中の温度が光合成適温より低下し収量が低下する
・低温期の曇雨天日の日中は光合成適温を維持することが大切、暖房をする
・カーテンを開けた状態で目標温度を維持するとなると、暖房機の能力は今までの2倍必要となる

 

■カーテンの選択

・省エネ重視でのオススメは、上層:ラクソス1547DFR、下層:ラクソス1347FRの透明2層
・透明2層の利点
①光を多く植物に届けられる
②日の出後もカーテンを閉めておける
③2層にすることで空気層もでき省エネ
・暑さ対策であれば上層:ハーモニー4215 O、下層:ラクソス1347FRまたはラクソス1547DFR

 

 

おわりに

冬は統合環境制御を実施しやすい季節ですが、秋はどのような管理をしたらいいのか悩まれる方は多いかと思います。とくに近年は異常気象とも言える出来事が増え、「昨年は○月○日にカーテン閉めたから…」といった暦通りの栽培管理だけでは通用しないこともあります。そんな今だからこそデータを基にした栽培管理というのは大きな武器になります。今回の講演内容はどれもすぐに栽培管理へ活かせるものばかりで、参加者の方々は皆真剣に聞かれていました。中にはスマートフォンを使いプロファインダークラウドでハウス内環境を確認しつつセミナーに参加されている方も見られました。セミナー後にアンケートを拝見させて頂きましたが、参加者の方々のモチベーションが高まったように伺えました。
これからも私たち誠和は皆様のレベルアップに貢献できるよう、より一層励んで参ります。今後も魅力的なセミナー、勉強会をどんどん開催していく予定ですので、よろしくお願い致します。

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