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「春に向けての環境管理セミナー」へのご参加 誠にありがとうございました

2018年04月19日

小金井営業所の澁谷です。3月5日から3月20日にかけ全9会場にて、弊社斉藤を講師に「春に向けての環境管理セミナー」を開催致しました。合計483名の方にご参加いただき大好評のうちに終了しました。多くの方のご参加ありがとうございました。
以下にセミナーの内容の一部を紹介いたします。

 

温度管理

■温度の種類

・気温は、植物体温(葉温)に影響する
・植物体温は、光合成や呼吸などに影響する。栽培上最も重要な温度
・気温は植物体温の代わりに測定している。気温と植物体温には条件により3~5℃の差がある

 

■ハウス内の気温測定センサーについて

・ハウス内気温を測定するセンサーは大まかに分けて、露出型センサー、日よけ型センサー、強制通風型センサーの3種類ある。適切な測定方法は強制通風型センサーの利用
・晴天時には測定方法により、日中(強制通風型<自然通風型)と夜間(強制通風型>自然通風型)とでは±3℃程度の温度差がある

 

■正確な気温測定方法

・ハウス内に測定センサーを設置する場合、設置場所や高さにより測定値が大きく異なる
・ハウス内気温は、葉温の代わりに測定しているので植物の群落の内に設置する

 

■水平方向での設置時の注意

・カーテンの稼動先端部下は、夜間の除湿開閉によって冷気が落ちてくるため避ける
・同様に軒の低いハウスや成長点から換気窓までが近いハウスでは換気窓直下も避ける

 

■施設栽培での温度の影響

・植物は長期間の平均気温に反応する
・温度は栄養成長、生殖成長の制御をする一要因である

 

■平均気温の考え方

・平均気温は日々の管理で植物の温度反応を理解する上で重要な単位
・日単位で把握する(日平均気温、24時間平均気温)
・平均気温は最低でも1分間隔で測定し平均化するのが最適。5、15、30分間隔の測定は適していない
・平均気温は、日射量が多い時期や晴天日は高く、日射量が少ない時期や曇雨天日は低くする

 

■時間帯別平均気温と昼夜温較差(DIF)

・DIF=昼間平均気温‐夜間平均気温
・DIFは節間に影響する(特に花卉、野菜苗)。DIFが大きい場合、節間を伸長、大きな植物になる。DIFが小さい場合、節間を抑制、小さい植物になる
・DIFは植物体のバランスに影響する(特に果菜類)。DIFが大きい場合は生殖成長になる。DIFが小さい場合は栄養成長になる

 

■積算気温

・積算気温とは、日平均気温を基準の日から積算したもの
・日平均気温は発育速度に影響する。積算気温から新しい葉や花がどのくらいの日数で発生するかがわかる

 

■植物の生育と温度

・温度は植物の生育の様々な過程に影響する
・光合成は、緑の葉のみで昼間のみ行われ、光、CO2、水が必要な反応。適温の幅は広い
・呼吸は植物全体(葉、茎、果実、根)で24時間行われ、酸素が必要な反応。温度と直線的な関係
・植物の成長=光合成‐呼吸

 

■同化産物の転流

・光合成により、葉で形成された糖(同化産物)は、他の部位に輸送される必要がある。これが転流
・果菜類においては同化産物の60~80%が果実に移行する
・晴れた日の葉は同化産物でいっぱいのため転流には多くの時間を必要とする。十分な速度でおこなわれないと、次の日の朝まで葉に糖が残り新しい光合成の妨げとなる

 

■温度と樹形(細胞分裂・細胞伸長)

・同じ光条件で温度管理を変えると細胞の構造が変わり樹姿が変わる
・高温では新しい細胞増殖が早い。高温で葉と花の展開速度が増加→糖が少ない→小さい細胞になり葉と花が小さくなる

 

■成長と発育

・成長とは乾物重、生体重、葉面積の増大。光合成の結果としておこる。光、水、CO2、湿度が影響。温度の影響はわずか
・発育とは新しい器官(葉や花)が発生すること。温度が大きく影響する
・温度制御の目的の一つは、発育速度を制御することであり植物の形を制御する事でもある

 

■温度設定

・原則として、温度は日射量に応じて変化させる。温度設定により、植物体の形(栄養成長、生殖成長)を制御できる
・温度を正確に測定して、植物栽培に必要な温度単位(平均気温、時間帯別平均気温、積算気温)で理解する

 

■CO2と温度設定

・光もしくはCO2の増大は光合成を高める
・光とCO2条件により温度設定を高くする
・光透過率の良いハウスでの積極的なCO2施用は温度設定が高くすることができる。結果、葉や花の展開速度が速くなり品質を維持したまま増収が可能となる

 

■果実の肥大、成熟、収穫

・高温では果実数が増えるが果実が小さくなる
・大きな果実が必要な場合は温度を下げる
・着果数を制限することも果実肥大に効果的
・果実を小さくしたいのであれば高温にすればよい

 

湿度管理

■湿度制御:高湿度対策

・低温期の積極的な換気がおこなわれていないハウスでは絶対湿度を下げる必要がある
・低温期の除湿は外被材の内側への結露による排出が基本。このときハウス内外温度差は最低でも5℃必要
・透湿性スクリーン(LSスクリーン)の利用はカーテンを閉めたままの除湿を可能にする

 

■湿度制御:低湿度対策

・春や秋の外気が乾いているとき
・細霧装置等による加湿は、植物体が濡れないような細かい霧が必要
・植物の蒸散による水蒸気を保持することも有効
・ハウス内の急激な湿度変化を与えないために、風向、風速、外気温により天窓開度や感度を調整することが重要。コンピュータ制御が有効
・ハウス内外温度差が10℃以上のときの換気は慎重に行う

 

■春先の萎れ対策

①地下部
・根が健全かを確認する
・根が健全である場合、日射に応じたかん水量にしてかん水量を増やす
 
②日の出前後の温湿度
・春先のハウス内は外気温が低いため天窓が開きにくいので以下の状況が起こりやすい
・ハウス内が高湿度→蒸散量の低下→葉のカルシウム濃度の低下→細胞壁が軟化→環境ストレス(急激な温湿度変化)→葉の萎れや損傷(チップバーン)→灰色かび病の発生
 
③緩やかな変化
・日の出3~4時間前から暖房を行う。夜間の暖房が必要ない時期でも実施する
・日の出後、早い時間から換気する
・早い時間に飽差を3g/m3以上にする
 
④曇天日後の晴天日
・曇り→曇り→晴れの日の萎れは、曇天日と晴天日の蒸散量の差が大きいため
・対策として、①晴天日に遮光する、②曇天日の蒸散量を増やす
・②が多く光合成させることが出来るのでおススメ
 
⑤遮光カーテンの使い方
・春から初夏のスクリーン利用の目的は、光を減らすための「遮光」
・午前中に遮光率の高い(50%)スクリーンを閉め、午後に開けると日射量が一気に増えて植物へのストレスとなる
・遮光は、遮光率の低い(15~30%)スクリーンを長時間閉めることがおススメ
・散乱光タイプのスクリーン(ラクソスD、ハーモニー)ならさらに良い

 

かん水

■地下部の制御は、「肥料」の前に「水」

・植物体の構成の90%は水

 

■植物が水を必要とする理由

・①光合成の原料、②蒸散による気化熱で植物体を冷やすため、③肥料の輸送、④膨圧に影響し植物のかたさに関わる
・光合成を増大させる管理を実施したあとにかん水量を増やす(順番が重要)

 

■どのようにしてかん水量を決定するか?

・日射量を基準にかん水量を決定する
・基準値なしでかん水量を決定すると過不足がおきる
・かん水の基準ルールは1MJ/m2あたり250リットル/1,000m2
・日射量(W/㎡ワット:瞬間値、MJ/m2・J/cm2ジュール:積算値)を把握する
・WからJへの計算方法は、日射Wに0.0036を掛けた値が1時間の積算日射量(MJ/m2)

 

■かん水能力を見直す

・1時間あたりの最大かん水量(1000W )から、かん水ユニットや井戸くみ上げポンプ能力の選定基準にする
・1日あたりの最大かん水量(30MJ/m2)から、貯水タンクの選定基準にする

 

■現在のかん水量を把握する

・1日、面積当たり、何リットルかん水しているかを調べる
・現在使用しているかん水チューブの吐出量から算出できる

 

■かん水方法
・少量多頻度のかん水をおこなう
・土耕栽培は、ロックウール栽培でのかん水技術を理解する
・多くの栄養分に起因する問題は、肥料組成を変えることなく栽培環境を改善することで解決出来る(環境:湿度、かん水方法、pH)

 

■かん水による生育制御

・冬の環境においては吸水>蒸散の状態になりやすい。葉が大きくなり栄養成長に傾きやすい。解決策として、蒸散を促す、根圧を下げる(ECを高める)、かん水量を減らす
・春、夏の環境においては吸水<蒸散の状態になりやすい。葉が小さくなり、生殖成長に傾きやすい。解決策として、かん水量を増やす、根圧を上げる(ECを下げる)、蒸散を抑制する

 

おわりに

今年の冬は寒く農産物の価格も高い状況でした。セミナーに参加された生産者の方に話を聞くといつも以上に採れているという方に多数お会いすることが出来ました。また他産地の情報を仕入れて何か自身の栽培の糧にしようと情報交換を積極的に行っている生産者の方もいらっしゃいました。意識の高い方が集まる弊社のセミナーでは、ただ講演を聞くだけでなく、このような場としても利用していただければと思います。
参加された生産者の方は、ぜひ今回のセミナーの内容を実行していただき、自分が理想とする栽培を実施するヒントになれば幸いです。これからも皆様の収量や売上向上に繋がるような実践的なセミナーを開催していきますのでよろしくお願いします。

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