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「オランダ最新トマト生産技術視察ツアー」へのご参加 誠にありがとうございました

2018年08月21日

いつも誠和商品をご利用いただき、誠にありがとうございます。小金井営業所の山下です。今回は7月22日~7月28日の期間で行われた、「2018年誠和・デルフィージャパン オランダ最新トマト生産技術視察ツアー」についてお伝えしたいと思います。今回の参加者は、生産者様4名、関係者様2名、デルフィージャパン社員1名、誠和社員2名の計9名でした。現地ではトマト生産者や種苗会社など計7か所の見学を行い、トマトの種子から生産、販売に到るまでを理解できる非常に充実したスケジュールでした。その中でも特に印象に残った事柄についてご紹介させていただきます。

 

事前勉強会

出発前日にデルフィージャパン斉藤氏より、オランダの施設園芸について3時間ほど話がありました。この事前勉強会が非常に重要でした。内容は、オランダの面積・人口から始まり、トマトの生産性、研究開発手法、CHP(ガスエンジン)利用についてなど基礎知識が満載です。このような情報を出発前に知っているかいないかで、現地での情報の頭への入り方や質問事項も変わってきます。これは斉藤氏が何度もオランダに足を運び、かつ日本の農業について広く把握しているからこそ、両国の農業の違いについて説明できるのだと思います。

 

コンサルタント Delphy

Delphyは世界最大の栽培コンサルティング会社です(社員数230名、オランダ在住165名、海外支社65名)。オランダでは2000年に政府の指導機関が廃止され、民間のコンサルティング会社が続々と誕生しました。当初、多くの生産者は廃止に反対しましたが政府は強行しました。しかし、生産者はお金を払うことで高い知識と情報を求め、コンサルタントは生産者を満足させるために高い知識と情報を提供するようになり両者が成長しました。現在のオランダの高い技術力はその結果生まれたとのことです。政府(無料)と民間(有料)とのコンサルタントの違いは、政府コンサルティングは問題が起きてから呼んでいたのに対し、民間コンサルティングは問題を起こさないために事前に訪問することだそうです。日本の農業でも、一般の生産者が民間コンサルティングを活用するようになる日も近いかもしれない、と思わせられる話でした。
DelphyはImprovement Centreという試験実証施設を持っており、こちらも見学しました。説明を受け興味深かったことは、試験は生産者グループや企業からの依頼でも行うということです。勿論、試験費を出資してもらっての実施です。特に生産者グループは皆で問題点を共有して依頼をかけているため、日本以上のスピード感で問題は解決され実用化されていくそうです。
例えばバラ栽培の区画では、より少ないエネルギーでより多くの収量を実現させるための試験が行われています。補光はLEDで行い、冬期の夜間の除湿は暖房ではなくスクリーン上部の空気(外気温ほど低くない乾燥した空気)を作物側に導入して行っています。LEDにより春から秋は品質の良いバラが採花できたが、冬には品質が悪くなってしまったそうです。原因を追及した結果、LEDの波長を変えることで解決できたそうです。出資した生産者は自分たちのハウスにLEDを導入する前に気づくことができたと喜んでいるそうです。

 

LED補光 Philips

その後、DelphyにてPhilipsからトマトへのLED利用のプレゼンを聞きました。トマトの光利用効率(LUE)は、自然光では1molの光から10gの生産できるのに対して、LEDでは15g作れるという話には驚きでした。LEDの利用はオランダでよく言われる1%ルール(1%の光の増大は1%の収量増加となる)以上の効果です。これだけ見ると自然光よりもLEDの方が効率が良いのですが、実用化するには他の環境要因や栽培技術とのバランスを取りながらの利用となります。具体的には、樹間でのLEDの設置場所、主枝本数(LAI)管理、光を増大させる目的以外でのLEDの点灯など、コンサルタントやPhilipsの知識や経験も導入する必要がありますので安易に考えてはいけません。導入には注意が必要です。導入費も決して安くはないため、オランダでも一気に広がるのではなく徐々に広がりつつある技術だそうです。
その後、2012年に生産規模のトマトハウスでは最初にLEDを導入した6haの房取りトマト生産者を訪問しました。今年の収量はなんと100t/10aを越える見込みだそうです!!遂にオランダでも100tどりが現実になってきたのです。

 

種苗メーカー Monsanto

オランダでは1品種を作ったら100ha分売れないと元が取れないと言われています。実際には、それは多くの品種では困難なためオランダでのトマト種子の価格は40~60円/粒と日本より高くなっています。また、スーパーマーケットに販売する際に付加価値を持てるような特殊な品種(食味や果形、果色)は、栽培面積を制限している品種もあり、それらの種子は100~120円/粒とさらに高くなります。
今回は、Monsantoが昨年開設したDe Ruiter Experience Centreを見学しました。この施設では他社も含めた約300種の品種が、補光ランプ有無の2つの区画で栽培され、周年見学することができます。参加者の中には、実際に自分のハウスで栽培してみたい品種がないか、真剣な顔つきで品種を探されている人もいました。施設内には「マーケット」と呼ばれる、ハウス内で栽培したトマトを棚に並べて展示しているスペースがあり試食もできます!果実は1週間前と今週収穫したものが置かれ、特にスーパーマーケットのバイヤーは棚持ちに興味があるそうです。その棚持ちには驚かされるばかりです。食味に関しては、「オランダのトマトは美味しくない」という世評は一瞬にして払拭されました。また、ここを訪れるお客様は生産者やバイヤーだけでなく、消費者や料理人など食に関係する人も重要な顧客と位置づけています。この方たちが品種を評価すれば、そのトマトの受け入れ先(需要)をつくることができ、生産者は安心してその品種を栽培(供給)することができるようになるのです。

 

おわりに

今回参加された生産者の方たちに参加動機を聞いたところ、みなさん「オランダの考え方を知るため」でした。参加された皆さんは栽培技術から販売方法まで様々な考えを持っていました。オランダの生産者は全量をほぼスーパーマーケットに直接販売しているため、厳しい値段交渉が行われています。今年のオランダのトマト販売価格は非常に安く、訪問した時期は年間でも最も価格が安い時期であることが重なり、生産者のトマト販売価格は約30円/kgと言っていました。そのため生産者は、いかに経費を抑えて収量を増やすか、付加価値をつけるかを常に考えていました。遠くない未来、日本でも同じことが起こるかもしれません。

この記事を読まれた方も、ぜひ一度オランダに訪問し、「自分だったらどうするか?」と考えてみるのも面白いのではないでしょうか?オランダまで行くのはちょっと、という方はぜひトマトパークにお越しください。お待ちしています。
 

Delphy
 

Philipsのプレゼン
 

De Ruiter Experience Centre内のマーケット
 

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