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果菜公開講座へのご参加ありがとうございました。

2012年12月10日

5月21日~25日の期間に、果菜公開講座を開催いたしました。
合計188名の方々にご参加いただき好評のうちに無事終了いたしました。
お忙しい中、また遠くからご参加いただきました皆様ありがとうございました。

以下に、講座内容及び受講された方の感想の一部をご紹介いたします。

兵庫会場でのハウス内レクチャー

 

 内容 

 ~GreenQについて~

 GreenQは自社研究圃場を持ち、そこを拠点に新しい技術開発、生産者の教育、新規生産者への設計・提案、栽培コンサルタントまで行う園芸専門知識グループである。

 

 ~全体概論~   
 まず生長点、葉、茎、根、果実それぞれの意味と役割を理解し、各部位に効率よく仕事をさせ、全体のバランスを取り、効率よく果実を生産させることが必要である。最も重要なのは葉の役割、つまりそこで行われる光合成である。

 

 ~光合成と呼吸(同化と異化)~
 光合成(同化)は6個のCO2と6個の水から光のエネルギーを利用して同化産物を作ることである。光条件が良い時でも光合成に最適な温度は20℃以上と 比較的低い。ただし、温度は光合成にのみ影響するわけではなく、20℃が栽培の最適温度という意味では無い。呼吸は温度が高くなるほど増加する。呼吸(異 化)は光合成の逆の反応であり、同化産物(糖)をつかって生命活動に使うエネルギーを作る。同化から異化を引いたもの、植物に残る余剰な糖が成長となる。 光合成から呼吸を引いた分が純光合成であり、光が十分にあるとき20℃程度が最大値となる。
  光、CO2、温度、湿度、LAI(葉面積指数)、水をどう管理すれば純光合成を高められるのか、それを理解することで生産性を上げることができる。し かし純光合成を最大にすれば、生産性が向上するということではない。植物が効率よく生産するため、バランスを整えてあげる必要がある。生長点や花、LAI や生育ステージを把握し、植物が理想的なバランスで1年間生産することによって、生産性は向上する。
 十分に成長したトマトに必要な光の量は1600-2000J/cm2/dayである。東京とオランダの積算日射の比較では梅雨時期を除いて常に東京が高 い。この点で東京の方が高収量が得られる可能性はある。ただし同じ日射量でも日長が違うことに注意する必要がある。最大光合成は300-400W/m2な ので、短時間で過剰に強い光があっても利用しきれない。さらに、日本では光の多い夏の時期に定植をするので、小さな苗は光を利用しきれず殆ど地面に到達し てしまう。オランダで利用されている冬期の補光は、理想的なものでは補光が1000J+自然光200J、一般には700-800J+200J 程度である。目安は10,000-15,000lxの高圧ナトリウムランプで18時間である。

 

 ~温度~
 温度は瞬時値や最大最小値ではなく平均温度が重要である。平均温度は19-20℃が目標であり温度が1度上がるごとに生産性が8%低下する。温度の平均 は1日ごとで見るだけでなく、最大5日間の平均で見ることで、無駄なエネルギーを使うことなく理想的な管理をすることができる(Temperature Integration:温度積分)。

 

 ~湿度~
 湿度は相対湿度ではなく飽差で見る。理想的な飽差は3-6g/m3であり夏には過度な乾燥、冬には過度な多湿に陥りやすい。植物に十分に蒸散させること が重要だが、蒸散が過剰になる場合は生産性が増すことにはならない。その理由は過剰な蒸散により飽差が下がりすぎ、病害の発生を招いたりするため、また蒸 散はある程度エネルギーを消費するためである。
 飽差の制御において重要なことは、理想値から外れた場合、植物がどのような状況になるかを理解することである。植物は飽差の値が理想から外れたといって も枯れてしまうことはない。最も適切ではない管理は、急激な飽差の変化である。例えば、日の出後理想値であった飽差が換気とともに乾燥した空気が施設内に 流入し飽差が急激に上昇することがある。この場合植物はストレスを感じ気孔が閉じてしまう。そのため換気窓は急激な湿度変化が起きないように少しずつ開放 することが重要になる。

 

 ~給液~
 トマト成木での給液量は積算日射量から概算することができる。トマトの給液量は1J/cm 2ごとに3ml/m2である。ただし日本のプラスチックハウスは光透過率がオランダのガラスハウスより低く、オランダは70%、日本では55-60%なの で、その分を考慮するべきである。


兵庫会場でのトマトの様子

 

 ~作物管理~
 作物の生育が強すぎるとき、弱すぎるとき、理想的なバランスに持っていくためには、温度コントロールにより同化と異化のバランスを調整することができ る。異化を促進するには呼吸を高める、すなわち平均温度を高くするような管理を行う。その場合、効果とコストのバランスなどから、温度を高くする時間帯に は優先順位がある。
 茎は水と養分、同化産物の輸送経路で、長期栽培のトマトでは非常に長くなるので、少しでも損傷による抵抗を減らす必要がある。とくに夏場には巻きつけ誘 引よりクリップの方が良い。根は水と肥料を吸収する口のようなものだが、その重要性は目視出来ないことから忘れやすい。根を観察できるような工夫は有効で ある。

 

~LAIのコントロール~
 ソースである葉とシンクである果実のバランスをとるため、夏場を除いて3枚に1枚の葉を生長点部にある時点で摘葉する。オランダの品種ではおよそ複葉 16枚/m2がLAI1に相当するので、枚数を基準に管理できる。ちなみに日本の品種では13-14枚程度である。摘葉をすることで、郡落内の光条件が向 上し、さらには葉を生産するエネルギーが減り、その分果実への分配が増え、収量が増加する。

 

 ■感想
 *樹勢のコントロール、飽差の考え方(急激な変化を与えない)がわかりやすかった。今後の栽培に活かそうと
        思った。
 *環境制御について新しい知識を得られた。また参加したい。
 *光合成、呼吸、日射について勉強になった。日射量にあわせた定植を今後考え直したい。
 *考え方が変わるし、深く、すべて(全体)のことを考えるようになったので今後も参加したい。
 *温度管理法、灌水開始時刻、日射にあわせたLAI管理とその手法としての摘葉方法などが勉強に
   なった。
 *オランダのコンサルタントの栽培の話を聞くことができてよかった。一度に理解できる内容ではないし難しい
   が、自分でゆっくり検討してみる必要がある。新しい技術を習得する良い機会なので次回も参加したい。
 *摘葉の重要性と尻腐れ果の対応が勉強になった、理論的で適切な内容だったので理解できた。
 *今まで勘で栽培していたので勉強になった。

栃木会場

愛知会場

福岡会場

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