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2016年 「キュウリ栽培セミナー」へのご参加ありがとうございました

2016年08月18日

はじめに

7月5日から7月21日にかけ、高知・栃木・宮崎会場でデルフィジャパンの栽培コンサルタントであるアルコ・ファン・デア・ハウト氏を講師に招いて、キュウリ栽培セミナーを開催いたしました。3会場で合計98名の方にご参加いただき、大好評のうちに終了しました。以下に、セミナーの講義内容の一部を簡単にご紹介いたします。

 

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 キュウリでのLAI

・LAI(葉面積指数)は作物群落内への光進入に関係して重要。

・ある光強度である一定のLAIを必要とする理由は二つ。光を受け取り糖(果実)を作るため。 もう一つは十分な冷却能力を確保するため。夏の暑いときには十分なLAIが必要である。

・キュウリの葉はトマトより薄いため、トマトと比べ光を多く透過する。よって、キュウリでのLAIはトマトと比べ5高い。

・葉のサイズによって「LAI=1」の枚数は変わる。日本の品種は100g/20cmほどで、オランダの110g位の品種と比べても葉が小さいのが特徴。日本では15~20枚でLAI=1と考えられる。各自で葉の直径から計算して求める。

・光強度と関係したLAI管理

(例)低積算日射量500~1000J/cm2/日のときのLAIは2.0~3.0

気象庁のデータなどで過去の日射量を確認することで、季節ごとに予測を立てることが可能になる。

・冬場の病気に対し、環境を管理するのはもちろんのことだが、多くの場合LAIが高すぎることがある。日本では、冬場のLAIは高すぎて、春~夏場のLAIは低いことが多く見られる。

・光条件が悪いときは、弱い成長点(日焼け)・弱い花(不着果)・小さい果実を避けるために24時間平均気温を下げる。

光条件が良いときは、栄養成長に傾くのを避けるため24時間平均気温を高める。(光条件が良く作物状態が良いときのキュウリでの24時間平均気温は約21℃)

 

※注意※

以上の話はオランダのようなダッチライト型ガラスハウスの場合である。日本でのプラスチック被覆のハウスは光透過率が悪いため、LAIを10-20%減らし24時間平均気温を1℃下げる必要がある。

 

 環境制御の最適化による病害予防

・オランダでは、化学農薬を散布することはほとんど無い(出来ない)。よって、ほぼ100%IPM(総合的病害虫防除)となる。化学農薬の散布がもし必要なときは天敵を考慮して化学農薬を散布する。

・多くの病気は冬場に問題になることがある。湿度管理と風を動かすことが重要。

・病気を防ぐ3つの方法

①植物を結露させない

②朝方の湿度を高くしない

③湿度を高くしない

・日中の蒸散を促すため、飽差は3以下にしない。

・最低飽差について

前夜半              <1.5(確実に<1.0にしないこと)

後夜半              <1.5-2.5(望ましくは>2.0)

日の出時            2.5

朝                  2.5-3.0

午後のピーク        3.0-5.0

プロファインダーの測定値と比べてみる。病気が多い人は後夜半もしくは日の出時の飽差がこれより低いはず。

・よくある日の出時から正午頃までの換気窓を閉めて温度を高める蒸し込みは絶対に行わないこと。

・葉水が出るようなときは、多くの場合花の中にも結露している。

・葉水が出ていることでのプラス点

①根圏が強く樹勢が良い

②成長点部のカルシウム欠乏の問題(成長点焼け)が少ない

・葉水が出ていることでのマイナス点

①花が濡れた状態になりつる枯れ病や灰色かび病への感受性が高くなる

②成長点がみずぶくれとなる

・春頃に日中良く晴れた日で夜も晴れているとき(星が良く見えるような夜)、放射によって植物体の温度が気温より下がり結露の原因となる。放射を防ぐためカーテンを閉めるのも一つの方法である。

・蒸散できずに、根の力が強い状態が続くと裂果となる。対策としては、強い栄養成長にさせない、朝の日の出頃を低い温度にしない、換気温度を暖房温度に近づける等がある。

・成長点焼けもしくはカルシウム欠乏については、対策の一つとして、強日射が予測されるときは、摘葉を延期する(日かげをつくることと気化熱による温度調整が目的)。

 

 キュウリの樹形に及ぼす環境

・生殖成長か栄養成長かの作物評価を行う。

・制御方法については、24時間平均気温、日射、昼夜温較差(DIF)、保温カーテンの利用、換気、飽差、CO₂、地温、暖房能力でそれぞれ方法がある。

(例) カーテン利用が少ないと生殖成長、カーテン利用が多いと栄養成長。暖房能力が低いと、カーテンの利用が多くなり栄養成長へ。

・冬場は光合成(同化)に必要な光が少ないことがある。そのときは、呼吸(異化)に関係する温度を下げる。

・収量の制限因子として、特に冬場は光があげられる。ただし光を制御することは出来ない。そのため温度やLAIを制御する。LAIの制御は湿度の制御にも繋がる。

 

 スクリーン

・冬定植の場合、POフィルムは定植直後の乾燥状態には有効なスクリーンだが、固定張りする場合は常に結露の可能性があるので注意する。

・冬定植したときは「植物を工場」として考え、光よりも湿度を優先して考慮する。

・例えばラクソス1347FR(XLS10)の可動式カーテンのとき、開けるか閉めるか分からないときは閉めるようにする。

・飽差がとても低い(高湿度)ときは、①カーテン上の換気②除湿のために隙間を開ける③温度を高める。

・換気が閉まっていて、暖房機が停止しているときは必ずカーテンの隙間を開ける。

・飽差が5g/㎥以下のときは0~3%隙間を開ける。

・秋頃にカーテンを使用するときは、必ず外気温を確認して使用すること。

 

 おわりに

今回は「キュウリ」という作物へ特化したセミナーを開催させていただきました。日本のキュウリ栽培では「当たり前」とされてきたことに対して、もう一度良く考え、見直し、改善・調整をするきかっけに、今回のセミナーが役に立てていれば嬉しく思います。

誠和では、今回の「キュウリ」以外にも「トマト」「バラ」での栽培セミナーや、季節に応じた環境管理セミナー等を企画しています。今後も生産者の皆様の生産性(収益)向上に少しでも役立つようなイベントを企画してまいりますので、よろしくお願いいたします。

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