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2016年 「実践的な春にむけての環境管理セミナー」へのご参加ありがとうございました

2016年05月10日

はじめに

3月24日から4月21日の間に全国8ヶ所で弊社斉藤を講師に「実践的な春に向けての環境管理セミナー」を開催致しました。日射が増加する春の環境管理のポイントについて、実践的な内容の講演が行われました。全会場合計で400名弱の方にご参加いただき、大好評のうちに終了しました。以下に講義内容の一部をご紹介させていただきます。

 

 

施設園芸で注目する点は、栽植密度、定植方法、摘葉などの栽培技術ではない。施設栽培内の環境は思っている以上に人工的である。まずは植物にとって最適な環境と施設内環境の状況を把握して、その乖離を小さくすることが重要。

 

 光について

・環境制御において、光量が収量・品質を決める制限因子である。

・ハウス外からハウス内に入る光をできる限り減らさない方法として以下の方法がある。

①採光性が高く、長期間維持できる外被材を選択する。

②カーテンを出来る限り閉めない(但し、環境は測定し、全体のバランスを考えること)。

③白マルチを使用する。

・白マルチは地温を下げると言われるが、測定すると下がっていないことがわかる。かん水も同様に地温を下げる効果はない。地温は平均気温に追従して変化する。

・光量は確保したいが、強過ぎる光は成長点の温度を上昇させて萎れの原因になる場合がある。生育ステージなど状況に合わせて、散乱光タイプのLSスクリーンなどで遮光が有効となる。

・プロファインダー用の日射センサーが5月末に発売される。日射量を計測することで、かん水量と温度管理の目安を算出することが可能となる。

・散乱光資材を使用すると、光を植物体下部まで届けることで、群落光合成が増加して生育促進になる。ただし曇りの日はすでに散乱光になっており、資材の効果がなかったり、光透過率が透明資材に比べ低下したりするものがある。カーテンなどのオン・オフできる散乱光資材が望ましい。LSスクリーンであれば、ハーモニータイプ(白)がお勧め。

 

 CO2について

・CO2は濃度(ppm)より量(kg/10a/時)での施用がお勧め。LAI3程度の植物は、3~6kg/10a/時のCO2を吸収する。10aのハウスであれば1時間に3kgのCO2を発生できる機械を2台使用し、冬は2台で外気より高い濃度施用を行い、換気回数が増える春からは1台で量を基準に施用する方法がお勧め。

・CO2施用の効果を得るには、以下の点に注意する。

①CO2濃度が400ppm以下にならないように必要な時間帯に施用しているか

②目的とした部位への転流を意識した温度管理をしているか

③他の環境要因(かん水、肥料など)は十分に管理できているか

以上のように環境を把握して管理をしないとCO2施用の効果が出ない。環境制御=CO2施用ではない。CO2施用をすれば収量が向上するのではない。

・吹き出し施用でも十分だが、ハウス内に万遍なくCO2を施用させるには、ダクト施用が有効。換気回数が増える春は特に有効。

・CO2施用を中止する場合は突然止めないように注意する。植物はCO2が十分ある状態に順応している。徐々に減らしていくこと。止めるタイミングは、昼夜関係なく天窓・サイド換気が開放になる時期まで。

 

 かん水について

・水は光合成の原料である。

・1gの光合成産物を作るのに作物は500gの吸水が必要である。

・地下部管理は肥料のことよりもまずはかん水のことを考える。

・肥料は根から水と一緒に吸収される。肥料欠乏はかん水(吸水)不足でも発生する。

・萎れはかん水不足でも発生する。例えばトマトは春の気象条件では吸水した水を10a当たり1時間に約400L吸水して蒸散することで体温を下げている。蒸散が不足すれば植物体温が上昇し萎れの原因となる。

・植物の90%以上は水でできている。十分な水が体内になければ、空気の抜けた風船のように樹形を維持することができない。

・1日当たりのかん水量は1日の積算日射量(J)で算出するとわかりやすい。

・プロファインダーでは、日射センサーを用いることで積算日射量を測定できる。2.5ml/J/m2を基準に算出する。例えば、積算日射量が10MJ/m2ならば、1日のかん水量の目安は2500Lになる。

・冬は葉が大きくなりやすく(栄養成長過多)、春・夏は小さくなる(生殖成長過多)。春の小葉の原因はかん水不足。

 温度について(トマトを例に)

・曇天後に収量を低下させないために、日中の最低温度を18℃以上にする。加えて、受粉への影響を考慮して21℃以上になる時間帯を確保すること。

・4月以降、夜間の暖房が必要なくなっても、日の出数時間前から暖房を開始して、日の出時に18℃まで上げる。萎れ、裂果、尻腐れ対策に有効である。ただし、特に大玉トマトは平均気温21℃以上で品質が低下する。したがって、平均気温を確認しながらいつまで日の出前暖房を実施するかを決定する。

おわりに

春は日射量が増加し換気をする季節です。換気窓を閉めて温度を高める冬の管理から頭を切り替える必要があります。今回は日射が増加する時期のCO2、かん水、温度の話題を中心に講演させていただきました。1日当たりの収量が増加する春は、皆様の収量を決定づける時期になると思います。今回の実践的な管理をすぐにでも行っていただき、ぜひ良い成果につなげてください。これからも多くの方々の考え方を変えるきっかけになるようなセミナーを企画していきます。これからもよろしくお願い致します。

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