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LSスクリーン技術研修会へのご参加ありがとうございました

2014年12月05日

11月18日~21日の間でLS技術研修セミナーを行いました。講師はオランダLudvig Svensson BV社で環境管理のコンサルタントや環境分析をしているポール・アーケスタイン氏です。セミナーは日本各地の合計5ヶ所で行われ、生産者や販売店の方など 合計約300人の方にご参加いただき、好評のうちに終了しました。お忙しい中、参加していただき誠にありがとうございました。

講演内容の一部を以下にご紹介します。

 

1 講師のポール・アーケスタイン氏

 講師のポール・アーケスタイン氏

 

 

 

 
 冬季の環境とスクリーン
 

 ・トマトの夜温は15~17℃が最適である。

・夜温1℃の低下によって収量は1t/10a低下する。

・その原因には2つあり、1つはボイラーの能力不足、もう1つは極端に低い外気温。

・スクリーンはほとんどの場合この問題を解決でき、より極端な外気温(例えばマイナス5℃)においても目標の夜温を維持できる。

・夜間、通常作物体温度は気温より低くなり結露が発生しやすくなる。

・結露はスクリーンを利用することで回避でき、病害発生の危険性が低下する。

 

 

 

 3種類の透明スクリーンの特徴とその選ばれる理由


XLS10

・ガラスのように透明のスクリーン。

・高い光透過率のため、日の出以降の気温が十分に上昇するまでや曇天日の日中も利用することができる。

 

XLS10ウルトラ

・散乱光生成の能力を付与したスクリーンで、夏季の緩やかな遮光にも利用できる。

・エネルギー節減率はXLS10と同じである。

 

SLS10ウルトラプラス

・光透過率が最も良いスクリーン。

・材質がポリオレフィンのためエネルギー節減が劣る。

・防炎タイプではないことがオランダでは避けられる理由となっている。

 

 透明スクリーンの種類と特徴  透明スクリーンの種類と特徴

 

 

 

 

 スクリーンの保温性能(エネルギー節減率)

・エネルギー節減率は実験室で測定したものだが、これは生産者のグリンハウスでも同じ値となる。

・こうした実証法は、2層スクリーンの両方を閉めた時の保温性能を明らかにするのに役立っている。

・エネルギー節減率47%のXLS10を2層同時に閉めると、63%まで向上する。

・スクリーンの保温性能を発揮させる最も重要な事は隙間を作らないこと、つまり施工である。

 2 講演の様子(熊本会場)
 講演の様子(熊本会場)

 

 次世代型環境制御

 
・通常、夜間の外気温が高いときはスクリーンを使用することはできないが、グリンハウス内の装置の動作によってはスクリーンを使用しながら栽培環境を最適に保つことができる。それがオランダで開発が進んでいる次世代型環境制御である。

・そのシステムの特徴は、スクリーンを2層設置して、外気の空気取り入れ口と送風用のファンとダクトによってハウス内を常時加圧することである。

・この方法により、グリンハウスでのエネルギー使用量を20~25%も削減することに成功している。

・現在、オランダでは約150haの施設に導入されている。

・その目的は以下に上げる4つのためである。

 1.エネルギー節減

 2.生育環境の改善

 3.高収量と高品質

 4.水平方向の温度差解消

3 講演の様子(栃木会場) 講演の様子(栃木会場)

 

 

 

 
 夏季の環境とスクリーン
 

・植物の成長には光を必要とするが、過度の光は生育を阻害する。

・これは果実や葉の焼けや収量や品質を低下させる。

・その対策として、2つの手段がとられる。

 1.冷却:パッド&ファンや細霧装置による気化熱利用

 2.遮光:グリンハウスに入射する光を制限することでの温度上昇の抑制

・遮光には屋根面へ塗布剤を使う固定式とカーテン装置のような可動式の2種類がある。

 1.塗布剤による遮光は時間帯にかかわらず遮光率が一定のため、朝夕や曇天時などの制限する必要のない日射をも弱めてしまう欠点がある。

 2.可動式の遮光は上記の問題を解決し、晴天時の日中は適度な遮光を行うことができる。

 

可動式のスクリーンは固定式に比べて約20%もの多くの光を取り入れることができ、それは収量にも反映される。スペインのアルメリーアでの実験では28%も多くの光を取り入れ、25%の収量増を得ることができた。

 

 

 

 遮光スクリーンの種類

 
・遮光スクリーンには穴あき構造のものと閉構造のものがある。

・閉構造スクリーンは使用時に換気のために0.8~1.0mの隙間を作る必要がある。隙間からは直達光が降り注ぐので、作物群落の一部は強い光を受けることになる。

・穴あき構造スクリーンはストリップ間のわずか4mmの隙間から通気するので、上記の問題を引き起こさない。

 

 

 ハーモニースクリーン

 
・ハーモニースクリーンの白いストリップは70%の光を反射し、透過した30%の光は散乱光となる。この散乱光が好適な栽培環境の創造に重要な役割を果たす。

・散乱光は作物成長点に到達する光を弱め、逆に群落深部や影になりやすい部分へ光を届け、作物群落内の光環境を均質で好適な状態に近づける。

・光の利用効率が向上するため光合成が増大する。

・作物のストレスとなるような強い光を弱めるためより多くの光を取り入れることができる。結果、利用するスクリーンの遮光率をアルミニウムスクリーンより5~10%下げることができる。

・ワーヘニンゲンURでの実験では鉢物で25%の生育速度向上、トマトの収量が7%増加、キュウリの果実数が7%増加した。

・ハーモニー区の平均温度が約1.5℃温度を下がり、最大では2.5℃の差がついた。

・スクリーン下に設置した日射センサーはハーモニースクリーンが強い光を弱めると同時に骨材の影を小さくし、結果としてグリンハウスを最適な光環境に近づけることができた。

 

 

 

 
 暗黒処理スクリーン
 

愛知県の田原会場と豊橋会場では、暗黒処理スクリーンについても説明した。

・オブスキュラは暗黒処理のために使われるスクリーンである。暗黒処理は例えばキクの開花調整のために必要である。

・オブスキュラは2枚重ねで使用されるが3種類ある。白/黒+黒/黒、白/黒+黒/白、アルミ/黒+黒/黒である。

・下面に黒いオブスキュラを選ぶのは、同一グリンハウス内の仕切られた区画間で補光ランプの光が隣室へ漏れ反射するのを防ぐためである。

・夏季の日の入り前に暗黒処理のためにアルミ/黒+黒/黒と白/黒+黒/黒を使用したときにグリンハウス環境がどのように変化するかを調査した。

  1. 白/黒+黒/黒ではスクリーン使用後の相対湿度の上昇が緩やかで、反して アルミ/黒+黒/黒ではスクリーンを閉めた直後に相対湿度が80%まで上昇し、その後も 白/黒+黒/黒より高い状態が続いた。
  2. 白/黒+黒/黒ではスクリーン使用後の気温は26℃まで上昇したが、3時間かけて6℃下降した。アルミ/黒+黒/黒では24℃をピークとし、3時間で4℃しか下がらなかった。

白/黒+黒/黒を使用することが夏季のグリンハウスの管理において利点が多いことが明らかになった。

 

 

 

 
 おわりに
 

 

講 演途中に質疑応答の時間があったにも関わらず、終了後にも質問をされるお客様がいたなど、参加された方々の強い思いを見ることができました。特にハーモ ニースクリーンや、次世代型環境制御に質問が集まるなど、施設園芸のこれからを期待させるセミナーになったと思います。弊社は今後もスクリーンと栽培環境 の改善に関する情報を積極的に提供していきます。

 

 

 

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