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2016年 「バラ栽培セミナー」へのご参加ありがとうございました

2016年11月04日

はじめに

10月4日から10月7日に、オランダからバラ専門の栽培コンサルタントであるウィン・ファン・デア・エンデ氏を招いてバラ栽培セミナーを開催しました。3会場で合計31名の関係者の方にご参加いただき、ご好評のうちに終了しました。お忙しい中、また遠方からご参加いただきました皆様、ありがとうございました。

 

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以下にセミナーの講演内容の一部をご紹介させていただきます。

 

 植物生理:温度、光、根

・温度は植物の光合成や呼吸の速度に影響。

・温度が上昇したときは茎重に対して長さが長くなり、花、蕾が小さくなる。特に夜温が高いと小さくなる。

・バラの赤い新葉が緑色になってから90日間で純光合成(光合成-呼吸)がプラス。主枝は採花によって切り離されるが、折り曲げ枝も90日経過後に切り捨てるべき。

・光合成によって作られた糖を利用して成長するためには、呼吸なしでは生きられないが、温度が10℃上がると呼吸量は2倍になる。

・光合成-呼吸の関係では15℃から成長に利用可能な糖が増加して、25℃以上では小さくなり、35℃~38℃ではマイナスになってしまう。

・40℃を超えると植物体内のタンパク質が壊れてしまい、植物活性は失われてしまう。

・特に夏期、日の入から夜にかけて根圏温度が高ければ、転流物が優先的に根に移動し、花が小さくなってしまう。また、根圧が高まり、細胞の弱い部位(開花直前の花等)が破壊されてしまう。

・日の入後、ハウス内温度が急激に下がるようなら、3時間くらいカーテンを閉め、放射で逃げていく熱を抑え、気温を保ち、絶対湿度が下がることで蒸散が増え、根圧を下げることができる。

・日射量が200W以下になる前からハウス内温度を高める設定にして蕾や芽に転流を促進させる。

・バラの光合成には700W以上の光はいらない(ハウスの光透過率が70%として)。

・高日射のときカーテンで遮光・遮熱を行うと開けるタイミングが難しい。遮光された弱い光から急に強い光にさらされる可能性があるため。したがって、春から外被材に遮光率15%程度になるように遮光剤を塗布することをお勧めする。カーテンで遮光するなら、50%程度の高い遮光率のスクリーンを光に合わせて開閉するより、ラクソス1547DFR(遮光率15%)などでずっと遮光している方がよい。

・夏場に30℃以上の日が多いほど、冬場の採花本数と収量が低下してしまう。

・光が強いとき(光合成が増加)は午後の温度を上げ、転流を促進させる。

・夜間に培地が過湿だと呼吸時に生じるCO2が培地からぬけずHイオンが残る。このことからpHが下がってしまう。また、酸素が培地内に入ってこず、呼吸ができずにエネルギーが作れなくなってしまう。

・自分のハウス内のRWの夜間の水分率がどれくらいになっているのか考えてみる。RWの飽和含水率が80%、そこから5%~10%下げることを目標とし、朝から何回給液したときに排液が出始めるのかで、RWに何リットル分空きがあるのかを逆算する。排液が出るタイミングが早すぎる(夜間過湿)なら、一日の最終給液時刻を早める必要がある。

・1回の給液量は1000J/cm2あたり3リットル/m2の給液を基準として、また、給液間隔は最低45分開けることを加味して、日射量から計算する。

・例えば700W/m2/秒の光があったとすると、1時間当たりの日射量は252J/cm2。45分間隔で給液すると190J/cm2で570ml/m2給液することになる。

・曇天時の400J/cm2では1.2リットル/m2/日ということになるが、この場合は量にこだわらず、給液間隔を2時間以上あけないで給液する必要がある。

・通常は日の入6時間前、日射の強いときは4時間前まで給液する。300W 以下になったら、給液を止める。

・薬剤散布した日は蒸散が止まってしまうので、最終給液を(1回)やめる。

 

 かん水と施肥

・排液のEC、Na値が高くなるのは培養液が濃縮されてきていることを示し、給液不足が予想される。

・根が水から得られる酸素量は全体の2%で、ほとんどが直接空気中の酸素を利用する。したがって培地中に空気相が必要である。

・給液のECと量、排液のECと量から吸収ECを求めることができる。現在の給液EC設定が養分吸収に適しているのかの判断材料に使える。

・培養液の肥料のアニオンとカチオンの数は同じ。分析値からEC値を計算できる。

・培養液の分析値からは各要素の量や要素同士の関係が正しいかを判断することができる。また、継続して分析することによって、上昇する要素、下降する要素を確認することができる。

・給液のpHはドリッパーから採取した液で測定し、4.8~5.5になるように調整する。pHが高すぎると微量要素の吸収が阻害され、低すぎるとRWのバインダー(のり)が溶解してしまう。

 

 おわりに

今回は従来のような生産者様圃場での視察研修を行わず、会議室での講習をみっちり受けていただきました。皆様が日頃耳にする機会が少なく新鮮な内容が詳細かつ膨大な情報量で発信されました。参加者からは頭からあふれそうだとコメントされる方もいらっしゃいました。

今回の参加者全員がRW栽培システムユーザーであることから、排液のタイミングや日射量を使って行った実習が、ご自分のハウスに置き換えて計算でき、きっと今後の給液方法に役立てていただけると感じました。

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