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2017年 「トマト栽培セミナー」へのご参加ありがとうございました

2017年02月02日

はじめに

 豊橋営業所の柿並です。1月20日から1月24日にかけ、オランダのデルフィー社の栽培コンサルタントであるアルコ・ファン・デア・ハウト氏を講師に招いて、トマト栽培セミナーを開催いたしました。熊本、愛知、群馬の3会場で合計118名の方にご参加いただき、大好評のうちに終了しました。

 

2017トマト栽培セミナー

 

以下に、セミナーの講義内容の一部を簡単にご紹介いたします。

 

 衛生管理~ウィルス、細菌、害虫発生の拡散予防~

■ サビダニ

 環境制御を実施すると農薬散布回数が減り発生しやすくなる。オランダをはじめ多くの国で問題となっている。弱いが、非常に小さく(体長約0.2mm)人の目で見られないため、気付いた時には大量に発生している。天敵は農薬散布で密度を下げてからしか効果がない。

■トマト黄化葉巻病(TYLCV)

 シルバーリーフコナジラミのみが媒介し、発症により生長点付近のクロロシスと新葉の奇形が見られる。換気効率は下がるがネットを展張するのが一番効果的で、ハウス内外の除草や黄色の粘着テープの設置、抵抗性品種の利用も有効である。

■かいよう病

 種子から感染することが多いので種子が殺菌されているか確認する必要がある。接ぎ木の過程も蔓延の大きな要因となるので購入苗も注意する。他にも土壌、水、人、機械、植物同士でも広がるので予防が非常に重要となってくる。

■病害虫の対策および対処法

 感染を防ぐためハウス内への飲食物をはじめものを持ち込ませない。訪問者にはつなぎを用意し、入口には殺菌マットを設置して作物に接触させないことで予防となる。道具や機器は使用したら必ず殺菌し、ハウス外に持ち出さないようにする。ハウス内に持ち込むものは必ず殺菌する。感染と疑わしい植物はすぐに隔離・除去するとともに周囲を殺菌する。感染後は感染拡大防止のため使用する道具は専用にする。化学農薬のみに頼った害虫防除は抵抗性を保持した害虫が発生するのでIPMがお勧め。

 

 水管理、培地の水分量とかん水のモニタリング機器

・水は浸透圧と蒸散の2つの方法により根から吸収される。吸収された水は光合成に使用され、肥料吸収や

 作物自身の冷却等にも使用される。

・培地内の水分率の変化により生殖成長にも栄養成長にも傾けることができる。

・養液栽培で収量を向上させるには地下部も地上部の管理と同じように、基準に沿ってモニタリングを実施
 しないと最大の収量は得られない。

・排液を一ヶ所に回収することで排液量や排液率を確認できるが、培地の重量計や水分率測定器は導入すべき
 機器である。

・培地の水分率を測定するパロット・フラワー・パワーは安価であるが高い性能を持ちお勧め。

・パスカルシステムなどの植物体重量計測タイプでは興味深い結果も出ている。

・ただし根の状態を目や手で観察することも重要である。特に過湿により酸素欠乏が続くと根は貧弱になる。

 

 しおれ

・連作障害や温度、過湿、pHなどの根への直接な影響だけでなく、スクリーンや細霧装置の多用、不適切なLAI
 管理が蒸散量に影響を与えることで萎れの原因となる場合もある。

・誘引紐を強く茎に巻き付けたり、誘引の角度が悪いなどの茎への損傷からも萎れが起きることがある。

 

 灰色かび病の抑制

・灰色かび病の直接的原因は植物が濡れることだが、カルシウム吸収阻害による葉焼けが発生原因となる場合
 もある。

・カルシウムは水により植物の先端に運ばれるので、しっかり吸水できる環境を作ることが重要。

・着果負担が大きすぎる場合も発生の要因となる。

・灰色かび病に感染した部位は必ず袋に入れ封をしてハウス外に持ち出す。その後、週1回経過観察をする。

 

 労務管理、基準と効率化

・トマトには様々な作業があるが、同時にできる一部の作業(巻き付けと側枝除去など)以外は専業化した方が
 速度は増加する。

・ナイフやハサミは必ず質の高いものを使い、切れ味が良いよう研いでおく。

・高所作業車は作業に十分な数を用意する。適切な高さや姿勢で作業することでも作業効率が向上する。

・オランダの最新型グリンハウスでのトマト養液栽培に必要な労働時間は10,000時間/ha/年(収穫までの作業、
 箱詰めは含まない)。作業員は5名/ha必要。

・具体的な作業速度は、1株3枚の摘葉が1,000株/時間、つる下ろしが1,750株/時間。

・日本での労働時間は25,000時間/ha/年 とオランダの5倍であり、多くの改善箇所がある。

・オランダ式の訓練を受けた管理者と意欲のある作業者がいれば、4年後の作業性はオランダの5倍から2.0倍
 程度に向上できる。

 

 おわりに

 今回はいつもと若干違う観点からの内容となりましたが、いかがでしたか?病害虫や労務管理は生産性の向上だけではなく、規模拡大や安定した経営には避けて通れない内容です。今回のセミナーに参加された皆様が、新しい改善のための一歩を踏み出していただけましたら幸いです。今後も皆様の問題解決に役立つセミナーを開催してまいりますので、何卒宜しくお願い致します。

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