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2019.09.22

リサーチパーク鶴だより-第2便-

  • :鶴だより
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リサーチパーク鶴だより

第2便

真呼吸の機能-

【続・「真呼吸」】

 9月に入り、ここ栃木でもだいぶ秋らしさを感じる日が増えてきました。とは言え、まだまだ日中は残暑が厳しく、換気窓は全開、少しでもハウスの中を冷やしたい季節です。

 前回「リサーチパーク鶴だより第1便」として、弊社と株式会社ノーリツとで共同開発した、低温CO₂局所施用システム「真呼吸」の特長をお伝えいたしました。「真呼吸」は、灯油燃焼式でありながら除熱により室温並みに温度を下げたCO2を、局所施用により換気窓が開いている状態でも、むらなく、効率良く施用できる商品です。つまり、今の時期でも施用できるのです。ある程度群落が大きくなったら、積極的に施用することをお勧めします。実際に弊社の研究圃場であるリサーチパーク鶴でも、前作はトマトで使用し、今作ではキュウリ、パプリカ、イチゴにも導入しております。今回は「真呼吸」の制御部分の特長を、動作例を交えながら紹介したいと思います。

【「真呼吸」制御の特長】

 まず基本設定として、1日を最大6つの時間帯に分け、各時間帯のCO2目標濃度を設定します。ここでの利点は、時間帯を日の出・日の入り時間と絡めて設定できることです。例えば、日の出2時間後(設定値:R+2:00)から施用を開始し、 日の入り3時間半前(設定値:S-3:30)に施用を終了する、といった設定です。日々変わる日の出・日の入り時刻に合わせ、時間帯が自動で変わります。定期的に手入力で時刻を変更したり、タイマーの爪を倒したりする煩わしさがありません。また設定を変更し忘れて、朝の光合成が始まった時間に施用できなかったり、夕方暗い時間にも施用してしまったりといったミスをなくすことができます。(図1)

図1 基本設定例

 濃度制御の場合、換気開度が大きくなるとCO2を高濃度に維持できず、施用が止まらないことが時に問題になります。これに対応するには換気開度も把握できる制御装置が必要になり、コストがかかります。そのため施用をやめてしまう方も多いと思います。そこで「真呼吸」ではCO2を高濃度で維持できない時に、インターロック施用というモードに切り替わります。正しい表現ではないかもしれませんが、分かりやすく言うと節約施用です。この制御にはいくつかのパターンがあり、「真呼吸」の大きな特長の一つです。以下、インターロック施用に切り替わった時の動作パターンと、その考え方を説明いたします。全てのモードが、別に設定するインターロック施用時間の間に作動します。インターロック施用時間経過後は、基本設定に戻り濃度制御を行います。それでも目標濃度を維持できなければ、再びインターロック施用に入ります。

・濃度制限モード

 基本設定で設定したCO2濃度ではなく、別に設定する制限濃度が目標濃度に切り替わります。『高濃度が維持できる時は高濃度に、維持できない時でも最低この濃度を維持したい。』という方にお勧めです。例えば目標濃度を800ppm、制限濃度を400ppmと設定した場合、換気が開いて800ppmを維持できない状況になると、400ppmを維持するよう動作します。(図2)

図2 濃度制御モード

・間欠モード

 タイマー的な制御です。間欠オン・オフ時間を設定することで、オン・オフ動作を繰り返します。先の濃度制限モードでは、天候(特に風速)によって施用量が異なるため『換気窓が開いても常に定量施用したい。』という方にお勧めです。設定の際には本体のCO2発生量を参考にしてください(表1)。

 燃焼開始からCO2発生量は徐々に増加します。例えば3kg/hを間欠で施用したい時は、15分動作、5分停止がお勧めです。(表2、図3)

表1 CO2発生量
表2 間欠運転時のCO2発生量
図3 間欠モード

・停止モード

 文字通り強制的に施用を停止します。正直、このモードはお勧めしません。というのも日中の群落内は、天窓が開いていても施用しなければCO2飢餓状態になっていることが多いからです。ただ天窓だけでなく側窓も全開、かつ風もあるような時には、施用を停止した方が良い時があるのも事実です。いろいろ検討したうえで、『換気窓が開いている時は施用しなくてよい。』という方はこちらを選択ください。

 このように「真呼吸」はCO2を施用する上で今までできなかった、もしくは他の機器が必要だった制御がこれ一台でできるようになります。もちろん、誠和の「プロファインダーNext80」のような統合環境制御装置を使えばより細かい設定ができますが、「真呼吸」だけでも制御の幅はかなり広がります。

 今やCO2施用機は生産量を上げていくために、必須の機器です。しかしその使い方次第では、十分な効果を発揮できなかったり、最悪コスト倒れになってしまったりすることもあります。自分の経営に合ったやり方で、必要な時に必要な量を確実に施用する。そんな考え方を持った生産者の方にはこの「真呼吸」はきっと満足していただけるものとなっております。是非一度検討してみてください。

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